MacのOS X High Sierra(ハイシエラ)を簡単にクリーンインストールする手順を説明します。
- クリーンインストール
- 再インストール
- 初期化
など、さまざまな言い方がありますが、どれも同じ。
一言でいってしまえば、Macを「買ったときの状態に戻す」方法です。
クリーンインストールを行うと、
- もっさりしていたMacがキビキビと動くようになる
- よく分からないトラブルが解決する
- 新しいOSで改善された新機能を使えるようになる
といったメリットがあります。
とはいえ、やみくもにクリーンインストールを行うと、データが消えてしまったり動かなくなってしまったりすることもあるので注意が必要。
手っ取り早くMacをクリーンインストールしたいとは思うのですが、
- トラブルを避けるための準備
- 正しい手順で効率よくクリーンインストール
という順番で行うことをオススメします。
OSXをHighSierra(ハイシエラ)にアップデートするメリットは?
まず、OSXをアップデートするメリットをカンタンに説明します。
今回のOSXアップデートであるHighSierra(ハイシエラ)のポイントは
- ファイルシステムをApple File System(APFS)に変更
- Metal 2によるグラフィックスの強化
- 写真機能の強化
- Safariのプライバシー機能強化
などがあり、その他のアプリも細かい機能改善がされています。
細かい説明をすると小難しい話になってしまうのですが、ものすごくザックリ言ってしまえば、
「Macの普段使いの効率、操作性の向上」
を体感できるアップデートとなっています。
HighSierra(ハイシエラ)にアップデートする際の注意点
HighSierra(ハイシエラ)はOSXのメジャーアップデートになるので
- 今まで使っていたアプリが使えなくなる
- 想定していないトラブルが起こる
- そもそも動かなくなる
といった注意点があります。
今回、最も注意しなければならないのが、ファイルシステムが変更されるということ。
そのため、いままでのアップデートに比べて、よりトラブルが起こる可能性が高くなります。
ファイルシステム?Apple File System(APFS)?
ファイルシステムとは、ファイルをHDDやSSDに入れておくためのしくみ。
食器を置くための「食器棚」
本を置くための「本棚」
のようなものだと思ってもらえれば良いと思います。
普段私たちがMacを使う上で意識することはないので、気にする必要はない、「裏側のしくみ」です。
ファイルシステムに関して言えば、通常のOSアップデートをたとえるなら「食器」や「本」のアップデート。
食器が新しくなったり、本が増えたりするだけなので、生活にあまり変化はありません。
でも、「食器棚」や「本棚」が変わるとなると話は変わります。
見た目や利便性が良くなる代わりに、大きさが変わってしまったり今まで置けたものが置けなくなったりしてしまいます。
つまり、いままで問題にならなかったような問題がでてきたり、トラブルにならなかった事がトラブルになったりする可能性があるということです。
万一に備えて、バックアップなどの準備をしっかりと
今回のアップデートでは、いままでの「HFS+」というファイルシステムから約20年ぶりに「APFS」へとアップデートが行われます。
- 普段仕事で使っているアプリが動かない
- いままで使えていたファイルが開けない
- 古いデータを開くことができない
といった可能性も、ゼロではありません。
ですので、万一に備えてしっかりと準備をしておくことをオススメします。
HighSierraをインストールする前の準備
とはいえ、TimeMachineでちゃんとバックアップを取っておけばいつでもアップデート前に戻すことができます。
なので、バックアップをちゃんと取った上で、クリーンインストール作業を一つずつ順番にすすめていけば何も問題はありません。
対応機種の確認をする
なによりもまずは対応機種の確認。
そもそも、あなたのMacがHighSierra(ハイシエラ)にアップデートすることができるかどうかを知る必要があります。
Macの機種 | HighSierraにアップデート可能なモデル |
---|---|
MacBookPro, MacBookAir, MacMini | 2010年以降モデル |
iMac,MacBook | 2009年以降モデル(late2009) |
上の表にあるMacよりも古いMacでは、残念ながらHighSierra(ハイシエラ)を利用することはできません。
また、ファイルシステムが(APFS)がSSDに特化して最適化されていることもあり、上記のMacの中でも「HDDモデルやフュージョンドライブモデル」ではAPFSを利用することができません。
新しいファイルシステムであるAPFSを利用することはできませんが、HighSierra自体をインストールすることはできます。
HDDやフュージョンドライブモデルのMacでは従来通り「HFS+」のファイルシステムでHighSierraがインストールされます。
とはいえ、せっかくの新しいファイルシステムであるAPFS。
タイミング次第だとは思いますが、この機会にMacを新調するのもアリかもしれません。
→ Macおすすめ購入ガイド(最新版)
また、今使っているMacを下取りに出すのであれば、以下の手順で進めるとプライバシーもデータも安全です。
→ 中古のMacをかい買取に出す前に必ずやっておく事
時間を取る
もう一つ、重要になるのが「時間」。
通常のアップデートであれば、HighSierraにアップデートするためにかかる時間は3-40分程度。
スマホやテレビを観ている間に、勝手に終わります。
なのですが、クリーンインストールをしようと思うと、カナリの時間がかかります。
早くても3-4時間、じっくりやれば5-6時間はかかると思います。
ですので、十分な時間が確保できるときにクリーンインストールを進めるよう、注意が必要です。
急ぎの仕事があったり、Macで何かやらなくてはならない事があるタイミングは避けることをオススメします。
HighSierraをクリーンインストールする具体的な手順
HighSierraをクリーンインストールするには、大きく分けて以下の4ステップで行うと手順もカンタンで確実。
- 現在のOSをHighSierraにアップデート(30-40分)
- リカバリモードで起動し、ストレージを初期化(10分)
- クリーンインストール(30-40分)
- 環境設定とアプリをインストール(3-5時間)
この手順であれば、今のOSをHighSierraにアップデートした段階で止めることも可能です。
クリーンインストールを行う課程で、急に用事ができて残りのステップを進めらなくなったり、HighSierraで思うようにアプリが動かない等の問題が生じた場合には「ステップ1」の段階で
- HighSierraをアップデートした状態でMacを使う
- トラブルが起きたので、TimeMachineからバックアップを復元する
と、柔軟に対応ができます。
ステップ2とステップ3はセットで行います。
途中で止めてしまうとMacが使えないままになってしまうので、続けて進める必要があります。
ステップ4の段階では、HighSierraがクリーンインストールされている状態なので、
- 購入時と同じ、何もない状態からMacを使う
- いままで使っていたアプリや設定を一つずつ復元していく
- アプリを入れていく課程で、問題が生じたのでTimeMachineからバックアップを復元する
のいずれかでMacを使うことができます。
基本的には何も問題なく「HighSierraにアップデート」→「初期化」→「HighSierraをクリーンインストール」が進められると思います。
それでは、一つずつ、順番に進めていきます。
1. 現在のOSをHighSierraにアップデート
所要時間は30-40分程度。
「App Store アプリ」を開き、HighSierraへのアップデートを行います。
ダウンロードをクリックしてダウンロードを開始。
インストール自体は高速回線で15-20分程度。
wifi環境だともう少し余分に時間がかかります。
ダウンロードが終わると自動的に展開され、アップデートが始まります。
アップデート完了後、AppleIDを求められるので入力しましょう。
AppleIDを忘れてしまっている場合は、スキップで大丈夫です。
ただし、いずれにしても後から必要になりますので、AppleIDとパスワードを準備しておきましょう。
AppleIDを入力すると、HighSierraが自動的に起動します。
アプリの動作確認をしてみましょう
この段階で、今使っている状態のMacがHighSierraにアップデートされています。
アプリや環境設定もそのままの状態ですので、よく使うアプリなどを実際に使ってみて「ちゃんと動くかどうか」をある程度確認しておくことをオススメします。
クリーンインストール後に「やっぱり動かないじゃん」、となってしまうと元の状態に復旧するためのかなりの時間を使ってしまうからです。
この段階で問題がある場合には、TimeMachineを使ってアップデート前の状態に一旦戻してしまいましょう。
2. リカバリモードで起動し、ストレージを初期化
HighSierraが起動したら、次のステップに移ります。
ここからはクリーンインストールを進めていきますので、パソコンが使えなくります。
ですので、
- スマホでこのページを見る
- 別のパソコンでこのページを開いておく
- ページをプリントする
など、続きの手順が確認できるようにしておきましょう。
Macをリカバリモードで起動する
まず、Macを再起動してリカバリモードに入ります。
リカバリモードとは、OSよりも一段深いレベルでMacの設定を行う特別な起動モード。
- ディスクを初期化
- バックアップを復元
- 再インストール
などを行うことができます。
再起動をして、、、
画面が黒くなったら、キーボードの⌘+Rを「同時に」しばらく押したままにします。(黒い画面からAppleロゴが表示されるまで)
この画面が出てきたらリカバリモードの起動成功です。
一番下の「ディスクユーティリティー」をクリックします。
ストレージ(HDD、SSD)を初期化(フォーマット)する
一番上の段にある「内蔵」のハードディスクにある、OSが入っているディスクを選択します。
通常は、「Macintosh HD」となっています。
- Macintosh HDを選択して
- 消去をクリック
- フォーマットにAPFSを選択します
- 消去をクリックして実行
これで、ファイルシステムが「Apple File System(APFS)」に変更された状態でディスクを初期化(フォーマット)します。
また、「SSDではないモデルのMac」を使っている場合は、従来通のファイルシステムである
「Mac OS Extended (Journaled)を選択して初期化を進めます。
初期化(フォーマット)は数分で完了します。
ストレージのボリュームはAPFSに変更され、データが何も無い真っさらの状態になります。
ウインドウ左上部にある、赤丸のボタンをクリックして「ディスクユーティリティー」を終了します。
High Sierraをクリーンインストールする
MacOSユーティリティーの選択画面に戻りますので、今度は「OS再インストール」をクリックします。
MacOS High Sierraのインストール画面が出てくるので、「続ける」をクリックします。
ネット接続を確認する
インターネットからHigh Sierraを新しくダウンロードしますので、
- wifi
- 有線LAN
のいずれかに接続している必要があります。
ディスクが初期化(フォーマット)された状態なので、「以前のwifi接続情報」などが消えてしまっています。
ですので、画面右上に表示されている「wifiアイコン」をクリックしてwifiに接続をします。
3. HighSierraをクリーンインストール
ここからは、HighSierraをクリーンインストールするための設定を行っていきます。
インストールの確認設定
自動で画面が切り替わり、「使用許諾書」が出てくるので「同意する」をクリックして進めます。
インストール先が「Macintosh HD」(初期化したディスク)になっている事を確認して、「インストール」
インストールが始まります。
インストール中は、何もする必要はありません。
画面が変わるまで待ちます。
High Sierraクリーンインストール後の利用設定
新規インストールは、アップグレードインストールよりも短い時間で完了します。
クリーンインストールが完了して「ようこそ」画面に変わったら、言語を選択します。
キーボード入力環境を選択して、「続ける」をクリックします。
(画像では「U.S.」を選択していますが、USキーボードを使っているのが理由です。通常は、「日本語」でOKです。)
wifiを選択して、ネットに繋ぎます。
クリーンインストールを行うので、「今は情報を転送しない」を選択します。
AppleIDでサインインして、
利用規約に同意して先に進みます。
High Sierraクリーンインストール後のアカウント設定
Macにログインするために使用する「アカウント」と「パスワード」を設定します。
キーチェーンは、iCloudを使ったパスワード共有機能。
MacとiPhoneなど、「同じAppleIDでログインする機器」とパスワードを共有する機能です。
僕自身は「ON」にして利用しています。
すると、他のデバイス(iPhoneなど)に認証通知が届くので、許可するためにアカウント情報を入力して承認します。
「エクスプレス設定」は、「Siri」「位置情報」「解析」をカンタンに設定するための設定。
後からでも、設定は変更できるので進めます。
「ファイルを全てiCloudに保存」は、一見便利そうに見えるのですが「OFF」にします。
「デスクトップ」や「書類」フォルダのデータを自動的にiCloudに上げてくれる機能なのですが、iCloudのでデフォルト容量は5GB。
デスクトップに数GBの動画ファイルを置くだけでiCloudがパンパンになってしまうので、たまったものではありません。
「FileVaultディスク暗号化」は、個人的には使いません。
以前、FileVaultで暗号化されたバックアップをTimeMachineで復元した際にトラブルになったのが理由です。
ファイルシステムがAPFSになったこともあり、しばらくは設定する予定はありません。
ここまでの設定が終わると、
のクリーンインストールが完了し、まっさらなHigh Sierraが立ち上がります。
OSX High Sierraのクリーンインストールが完了します。
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なおっちさん、こんにちは。
「インストールリソース」というのが聞いたことがないので解決策を提示できないのですが、MBPのモデルはどのモデルになりますでしょうか?
いったん、TimeMachineから元のOS(Sierra)に戻してお使いいただくのが良いかと思います。
macOS high sierraですが、MacBook Proのインストールをしたのですが
途中で途切れます。
確認しますとインストールリソースがないのでシステム終了後に
再起動してくださいと表示
されてます。
何度行ってもリソースがないのでインストールができないようです。
どうしたらいいのでしょうか。
福井さん、こんにちは。
コンピュータアカウント(Macのアカウント)の設定の所ですね。
Macのアカウント名(Macにログインする際のユーザー名)とiCloudのアカウントは別なので何でもOKです。
復元する場合は、タイムマシンにバックアップされている以前のアカウントで「上書き」されるからです。
また、クリーンインストールする場合は、ここで設定したアカウントが新しいMacのログイン名になります。
そしてその後、iCloudに保存されている写真やキーチェーンなどを同期する場合にはiCloudのアカウントを使いますのでコンピュータアカウントとは関係なくiCloud上のデータはMacに同期することができます。
macの、初心者です。。質問があります。
macの、OSの、クリーンインストールですが、、、アカウントを、入れるところです。。
他のサイトなどで、こう書いてあります。
「この後復元するならば、復元するアカウントとは同じ名前にはしないように注意すること。パスが変わってしまう可能性があります。」
でも、同じアカウントでないと、アイクラウドの今までの情報が、同期?されないのではないか??と、不安になりました。
それとも、もっと、高度な事が、あるのでしょうか??
このアカウントは、今まで通りで、良いのでしょうか・?
すみません。。トンチンカンな?質問かもしれませんが・?もし、暇な時があったら、、教えて下さい。また、次回、同じような、クリーンインストールの、記事を、書かれる時に、ここの、アカウント設定のところを、詳しく、意味を書いていただけると、嬉しいです。。
とても、分かりやすい、記事で、助かっています。。ありがとうございます。。